劒岳 点の記(2009年日本)
子供の頃に一大ブームとなった映画「八甲田山」の原作者、
新田次郎氏の小説をベテランカメラマンの木村大作氏が、
初めてメガホンをとって映像化させたこの映像作品。
昨年の公開時から気になっておりましたが、今回CATVにて
その映像美と、静かながらも熱い人の想いをぞんぶんに
堪能することが出来ました。
●かいつまんだお話
明治39年、測量官の(浅野忠信演ずる)柴崎は陸軍に呼び出され、
日本地図最後の空白地帯である、劒岳への登頂と測量の命令が
下された。
柴崎は(香川照之演ずる)山の案内人、長次郎と共に劒岳への
登頂ルートを調査するが、結果は芳しくなく絶望的とさえ思える
状況であった。
それでも翌年には測量隊が結成され、険しい山の気候と戦い、
登頂を目指すライバルの日本山岳会と絡み合いつつも、柴崎は
己を信じる道を突き進んで行くのであった。
●よいとこベスト3
1)CGを使わず、本来持ち合わせている(過酷なまでの)自然の
美しさにこだわった映像美がとても素晴らしい!
それを撮影するためにどんだけスタッフや俳優たちが粘り
続けたのかは苦労を想像するしかないのだが、この想像を
遙かに超えた映像美は、人間が予想して作ったモノなど
吹き飛んでしまうような迫力がありました。
2)メインの部分は、とにかく淡々と山を攻略し続けるところに
なるのだが、それを遂行する各測量メンバーや人夫たちは
必要以上に語ることはなく、その佇まいや表情によって
描き出されているというのが、とても良かった!
3)静もあれば動もあり、暖もあれば寒もある、そんな自然の
リアル感を体感できる内容でありました。
蛇足ではありますが、3Dでこの映像を再現したらどんな感じに
なるのだろう? とシミュレーションしてみたりも。
いや、想像なんか遙かに超えるんでしょうけどね!
▲生え揃って、中に入ることが出来るようになった毛利庭園の
芝生。本日は寝っ転がるには最高のコンディションでした。
残念ながら横になる時間はありませんでしたが。S640にて撮影。
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