南の島に雪が降る(1961年日本)
黒沢映画常連の加東大介が、ニューギニア戦線において従軍
体験記として書かれた同タイトルの著書を映画化した作品。
アメリカ視点から描かれた、ザ・パシフィックと同時期に
観ているのだが、描き方こそ正反対であるが、どちらも
戦争というモノは本当に悲惨な出来事なのだな、ということを
真から思い知らさせてくれる内容であったのは確かかと。
●かいつまんだお話
昭和18年、歌舞伎役者であった加東は太平洋戦争での激戦地
ニューギニアで衛生伍長としての任に就いていたが、司令部
からの任命を受け、演芸分隊を立ち上げることに。
各部隊から才能のある者を集め、戦地に赴く兵隊たちに一時の
楽しみと安らぎを与えるべく、奮闘していくのであった。
●よいとこベスト3
1)兵隊さんのみの男しか出ない、ある意味むさ苦しい画面
なのだが、彼らが必死で演芸舞台を成功させようとする姿、
そしてそれに関わる人々の感情表現に、感動!
厳しい状況ながらもきびきびと、そして笑顔で行動する
男たちがきらきらと輝いて見えたのであった。
2)演芸分隊を構成する仲間たちの個性さが素晴らしかった!
これこそ適材適所というべきものなのであろう、といった
各役者及び裏方の活躍ぶりが心地よかったです。
3)戦争を描くのに凄惨な殺戮現場を用いなくても、十分に
その惨さを伝えることが出来る、というのを教えてくれた
ことに感謝!
観終えた後、ぜひとも原作小説の方も目を通したく思った次第。
▲昼時のダイナミックな雲。まるで階段を上ってお日様に
近付いていくかの様です。G10にて撮影。
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